23日 原油は続伸、米政策で需給引き締まり感台頭

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(6月限)は前日終値と比べ42セント高の64.09ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(6月限)は同41セント高の67.85ドル/バレルと、いずれも続伸している。
 23日アジア時間午前の原油相場は堅調。米国のトランプ政権の政策方針を背景に需給引き締まり観測が台頭している。米財務省は22日、イラン産の液化石油ガス(LPG)や原油の輸出に関与したとされる実業家とその企業群に対して新たな制裁を発動した。イラン制裁の強化で原油の供給減少懸念が台頭している。また米国のベッセント財務長官が米中貿易摩擦の改善に前向きな意向を示したことで、「世界経済の回復期待に伴う原油需要の増加が見込まれている」(ニッセイ基礎研究所=上野剛志主席エコノミスト)。
 ただ国際通貨基金(IMF)が22日に、2025年の世界の成長率見通しを前回1月時点の予測から0.5ポイント下げて2.8%としたことや、ウクライナ侵攻の停戦案についてロシアと米国がそれぞれ譲歩の姿勢を示したことが弱材料視されており、相場の上げ幅が抑えられているようだ。同氏は「ロシアと米国がお互いに歩み寄っていることで停戦に近づいている様子が醸し出されている。とはいえ、ウクライナがこの停戦案を受け入れるとは考え難い」と伝えた。
 日経平均株価は前日比537円27銭高の3万4,757円87銭で推移している。ドル円相場は1ドル=141.90円と、前日17時時点(140.29円)と比べドル高・円安方向に振れている。
 
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):144.46 (↓0.36)