16日 原油は小動き、中国GDP好調も様子見根強く
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(5月限)は前日終値と比べ7セント安の61.26ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(6月限)は同7セント安の64.60ドル/バレルと、いずれも膠着状態。
アジア時間16日午前の原油相場は、まちまちの経済統計を受けて小動き。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、「アジア時間の原油相場は行ったり来たりしやすい」との見方を示した。
日本時間早朝に発表された米国石油協会(API)の在庫統計によると、米国の原油在庫は前週比240万バレル増加した。事前予想は同94万5,000バレルの増加だったため、「供給の緩和感に繋がっている」(野神氏)。一方で、ガソリン在庫は同300万バレルの大幅減少。米国のドライブシーズンを前に、需給引き締まり感も意識されつつある。こうした内容を受けて、市場関係者の間では米エネルギー情報局(EIA)による在庫統計の発表を待ちたい、という機運が出ているようだ。
また、16日11時に発表された中国の1~3月の国内総生産(GDP)の伸び率は、前年比5.4%に拡大。同日に発表された中国の小売売上高や鉱工業生産指数の内容も軒並み堅調だった。しかし、原油相場の反応はいまひとつ。野神氏は「1~3月は米国の関税政策との兼ね合いで、中国からの生産や輸出が前倒しされて好調だった可能性がある」と指摘。貿易摩擦が激化した4月以降の経済には不透明感もあり、原油相場の上値を抑えているようだ。
日経平均株価は前日比247円61銭安の3万7,677円28銭で推移している。ドル円相場は1ドル=142.71円と、前日の17時時点(143.31円)と比べドル安・円高方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):146.01 (↑0.58)