7日 原油は大幅続落、経済減速懸念も買い戻しが下げ幅削る
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(5月限)は60.54ドル/バレルとなり、先週末終値から1.45ドル大きく下落している。インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(6月限)は64.03ドル/バレルとなり、同1.55ドル安となっている。
7日アジア時間午前の原油相場は大幅続落。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、「米国の相互関税政策や中国の米国に対する報復関税賦課により、米中を中心に貿易関係が悪化し、経済が減速するとの懸念が原油価格に下方圧力を加えている」と指摘した。中国はレアアースの輸出を規制すると表明している。
加えて、サウジアラビア国営サウジアラムコが7日までに、アジア向けの5月の販売ターム価格を通知。野神氏によると、ターム価格は前月から2.30ドル安となり、ほかの地域と比べて下げ幅が大きかったという。野神氏は「アラムコが中国を中心にアジアの原油需要が弱まると見ているのだろう」とし、重石の一つとの見方を示した。
ただし、足元で原油価格の下げ幅は削られている。売られすぎとなっており、値ごろ感から買い戻しが入りやすい。
今後の見通しについては、米国のシェールオイルの生産コストは60~70ドルとあり、足元より原油相場が下落すると、米国産原油の生産活動が鈍化するとの観測が浮上しやすくなるという。また、同国のトランプ大統領が地政学的リスクなど原油に上方圧力を加えるような発言をする可能性もあるようだ。野神氏は「ほかの国や地域が報復関税を発動するといった材料がもしなければ、原油価格はこれから上がっていくと考えられる」とした。
日経平均株価は先週末比2,000円55銭安の3万1,780円3銭で推移している。ドル円相場は1ドル=146.37円と、同17時時点(146.28円)と比べドル高・円安方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):154.56(↓5.93)