23日 原油は続伸、値ごろ感による買い戻しで

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(2月限)は先週末終値と比べ39セント高の69.85ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(2月限)は同36セント高の73.30ドル/バレルと、いずれも続伸している。
 アジア時間23日午前の原油相場は続伸。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、値ごろ感による買い戻しが続いている。米国のつなぎ予算が可決され、政府機関の閉鎖に伴う経済の混乱が回避されたことが、買い安心につながっている。また、トランプ次期米大統領は21日、パナマ運河の通航料に不満を示し、パナマ運河の米国への返還にも言及。パナマ運河をめぐる不透明感が急浮上し、石油製品の流通に懸念が生まれている。さらにイエメンの武装組織フーシ派によるテルアビブへのミサイル攻撃を受け、イスラエルのネタニヤフ首相はフーシ派への攻撃を強化する方針を示し、中東情勢にも懸念が残っている。
 もっとも、野神氏は「いずれも間接的な要因で、直接的なものはない。クリスマスシーズンで取引量が少ないため、相場が通常よりも大きくぶれやすい」と指摘した。中東やウクライナ情勢、トランプ大統領の発言の不透明感からやや底堅い相場が続く一方、中国経済への懸念を受け、同氏は「WTIは68~72ドルを中心に推移するのでは」との見方を示した。
 日経平均株価は先週末比317円41銭高の3万9,019円31銭で推移している。ドル円相場は1ドル=156.32円と、先週末の17時時点(156.83円)と比べドル安・円高方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):170.17 (↑2.08)