4日 原油は小動き、米国の需給緩和が弱気材料に

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(1月限)は前日終値と比べ2セント安の69.92ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(2月限)は同3セント安の73.59ドル/バレルと、いずれも小動き。
 4日アジア時間午前の原油相場は方向感を欠き、小幅な動きにとどまっている。中東情勢の不透明感や石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の自主減産の延長観測といった強気材料は継続している一方で、米国の原油需給の緩和も意識されている。
 米石油協会(API)が3日に発表した週間在庫統計で、原油が120万バレル増、ガソリンが460万バレル増となった。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、市場では原油が減少、ガソリンは減少ないし小幅増にとどまると予想されていたとあり、エネルギー需給の緩和が生じた。野神氏は「APIと米エネルギー情報局(EIA)の統計にずれがある場合もあるため、4日発表のEIAの統計の結果を待ちたい向きもあり、原油相場の方向感を失わせている」と述べた。
 野神氏によると、OPECプラスの自主減産延長についてはすでに観測されているため、大きな驚きはないという。また、2025年4月以降に減産が縮小すれば、原油は供給過多になりやすいため、原油相場の持続的な伸びにはつながりにくいとの見方を示した。
 日経平均株価は前日比142円58銭安の3万9,106円28銭で推移している。ドル円相場は1ドル=149.90円と、前日の17時時点(150.02円)と比べドル安・円高方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):165.12 (↓1.18)