7日 原油は下落、米大統領の発言で利益確定売り

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(11月限)は74.11ドル/バレルとなり、先週末終値と比べ27セント安、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(12月限)は77.70ドル/バレルとなり、同35セント下落している。

 7日アジア時間午前の原油相場は軟調。米国のバイデン大統領は4日、イスラエルがイランの石油生産施設を攻撃対象とする可能性を支持しないとした。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、地政学的リスクの上昇で原油相場が急伸し買われ過ぎとなっていたとあり、バイデン大統領の発言がアジア時間に入った後も利益確定売りの材料として使用されている。

 ただし、市場では強気材料も散見され、相場の下げ幅は限定的。4日に発表された9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比25万4,000人増と、事前予想を上回った。米国経済の減速懸念の後退と株高を受け、原油の需要が増加するとの期待感が生まれているという。また、イスラエルが米国の意に反してイランの石油施設を攻撃する可能性や、イランがイスラエルのエネルギー施設を攻撃する可能性がある。イスラエルからエジプトへLNGが供給されているが、仮にLNGの供給が滞り相場が上昇した場合、代替として原油需要が増加することも期先にかけて考えられる、との見方を野神氏は示した。

 日経平均株価は先週末比807円69銭高の3万9,443円31銭で推移している。ドル円相場は1ドル=148.38円と、先週末17時時点(146.31円)と比べドル高・円安方向に振れている。

 
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):166.14 (↑3.64)