26日 原油は続伸、米利下げ期待と中東情勢への懸念で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は先週末終値と比べ55セント高の75.38ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(10月限)は同52セント高の79.54ドル/バレルと、いずれも続伸している。
26日アジア時間午前の原油相場は一段高。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が23日、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で9月の利下げ開始を示唆したことでドル安が進行した。このためドル建て原油が買われやすくなり、相場に上方圧力が加わった。また「利下げで企業が資金調達しやすくなり、景気回復観測から米株価が上昇したことも強材料視された」(楽天証券経済研究所=吉田哲コモディティアナリスト(=写真))と伝えられた。
このほか、レバノンの親イラン組織ヒズボラとイスラエル間で25日に攻撃の応酬が発生したことで中東の地政学的リスクの上昇が懸念されている。イランはイスラエルに対する報復攻撃に消極的だが、ヒズボラを通じた間接的な攻撃を行う可能性が浮上しているほか、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスやイエメンの親イラン武装組織フーシ派も攻撃を再開懸念も生じており、「中東情勢を不安視する向きは多い」(同)ようだ。
日経平均株価は先週末比396円54銭安の3万7,967円73銭で推移している。ドル円相場は1ドル=143.62円と、先週末17時時点(145.82円)と比べドル安・円高方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):167.75 (↑2.06)