19日 原油は小動き、中東情勢の不透明感で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(9月限)は先週末終値と比べ4セント高の76.69ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(10月限)は同横ばいの79.68ドル/バレルと、いずれも膠着状態。
19日アジア時間午前の原油相場は小動き。WTI原油先物が20日に納会を迎えるため、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは「納会前後は相場がもたつきやすい」と指摘した。
また中東情勢の不透明感も相場の振れ幅を小さくしている。イスラエルとイスラム組織ハマスによる停戦協議が16日に終了。今週にはエジプトの首都カイロに場を移し、停戦交渉が再開するなど進展が見られた。野神氏によると、停戦協議中はイランがイスラエルへの攻撃を手控えるとの見方が強く、原油相場に下方圧力が加わりやすい。さらにイラン政府と米政府は、偶発的な衝突を回避すべくホットライン開設に合意。「米国とイランが慎重な姿勢を示したことで、中東情勢への不安や原油の供給途絶への懸念が後退している」と野神氏は指摘した。
ただ、停戦協議を巡ってイスラエルのネタニヤフ首相が強硬姿勢を示しているうえ、ハマス側も米国が提示した停戦案に反発。野神氏は「ハマスとイスラエルの対立解消には紆余曲折を経るとの見方から、相場の下落に歯止めがかかっている」と述べた。
日経平均株価は先週末比38円19銭安の3万8,024円48銭で推移している。ドル円相場は1ドル=147.54円と、先週末の17時時点(149.04円)と比べドル安・円高方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):171.87 (↑1.56)