31日 原油は反発、安値拾いとイスラエルのベイルート攻撃で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(9月限)は前日終値と比べ84セント高の75.57ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(9月限)は67セント高の79.30ドル/バレルと、いずれも反発している。
31日アジア時間午前の原油市況は堅調に推移。引き続き、買いが優勢となっている。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは「このところ売られ過ぎた反動から、安値拾いの買いが進んでいる」との見方を示した。また、依然として不安定な中東情勢が強材料となっているもよう。イスラエル軍は30日、親イラン民兵組織ヒズボラの司令官を標的にレバノンの首都である「ベイルート」への攻撃を実施。27日にイスラエルが占領するゴラン高原がロケット弾による攻撃を受けたことで、12人が死亡したことへの報復とみられる。一部メディアによると、イスラエル政府当局者らは、事態をこれ以上悪化させるつもりはないと示唆しているものの、イスラエル対レバノンの全面戦争が勃発する可能性が市場ではくすぶっており「中東情勢の緊張感がさらに増している」(野神氏)。なお、中国国家統計局が31日に発表する7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、景況の判断基準とされる50を3カ月連続で下回った。中国の経済先行きが想定以上に悪化しているため、「原油に下方圧力を加えている」(同氏)。
日経平均株価は前日比267円銭安の3万8,258円95銭で推移している。ドル円相場は1ドル=152.94円と、前日の17時時点(154.90円)と比べドル安・円高方向に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):175.20 (↓0.68)