29日 原油はまちまち、売り買いが交錯

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(9月限)は先週末終値と比べ1セント安の77.15ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(9月限)は同6セント高の81.19ドル/バレルと、いずれも小動きで推移している。
 29日アジア時間午前の原油相場は小幅まちまち。強弱双方の材料を眺め、売り買いが交錯している。中東の地政学的リスクに対する警戒感が再び高まっている。イスラエルの占領下にあるゴラン高原で27日、レバノンの親イラン組織「ヒズボラ」によるとみられるロケット弾攻撃があった。翌28日にはイスラエルが報復を宣言し、レバノン南部を攻撃した。また、米ダウ先物相場や日経平均株価が上昇し、株式と同じリスク資産の原油に買いが波及している。ただ、原油相場の上値は重いようだ。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、「イスラエルとヒズボラの対立によって中東情勢が急速に悪化する可能性は低い」と指摘。景気低迷が続く中国の原油需要が減少するとの懸念も、引き続き相場の重石となっている。30日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や、8月1日に石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の合同閣僚監視委員会(JMMC)を控え、「会合の内容や結果を待ちたいとの思惑から、様子見ムードが広がりやすい」(同氏)。
 日経平均株価は先週末比809円13銭高の3万8,476円54銭で推移している。ドル円相場は1ドル=153.32円と、先週末の午後5時時点(153.92円)と比べドル安・円高方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):176.86 (↑2.70)