19日 原油は小動き、強弱材料が交錯

 11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(7月限)は前日終値と比べ7セント安の81.50ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(8月限)は同2セント安の85.31ドル/バレルと、いずれも小動き。

 19日アジア時間午前の原油市場は、強弱材料が交錯して方向感がない。米国では利下げ期待の高まりから株価指数が反発しており、原油需要の増加観測が高まっている。しかし米連邦準備制度理事会(FRB)は早急な利下げに慎重な姿勢を示しており、利下げムードを牽制している。

 また、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が協調減産を延長したことが強材料視される一方、フランスにおける極右政党の躍進が欧州の政治不安を醸成し、世界経済の後退が懸念されている。

 こうしたなか、楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリスト(=写真)は、「強弱材料が散見されるうえ、80ドル台前半は高くも安くもない座り心地のいい水準。このため新しい材料が出てくるまでは、現行の相場水準を維持する」と伝えた。市場の目先の注目材料は今週金曜に発表予定の、6月購買担当者景気指数(PMI)速報値のようだ。

 日経平均株価は前日比222円31銭高の3万8,704円42銭で推移している。ドル円相場は1ドル=157.80円と、前日の17時時点(158.14円)と比べドル安・円高方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):181.57 (↑0.71)