8日 原油は下落、中東情勢の緊張緩和から

11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(5月限)は先週末終値と比べ1ドル3セント安の85.61ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(6月限)は同1ドル45セント安の89.72ドル/バレルと、いずれも下落している。
8日アジア時間午前の原油取引は下落。イスラエルが7日にパレスチナ自治区ガザ南部から大半の兵士撤退を発表したため、中東情勢を巡る緊張の緩和が材料視された。
ただしイスラエルのガラント国防相はこの発表に際し、「ラファを含む今後の作戦に備えるためだ」と述べており、今後も中東情勢の緊張は続くものと見られている。マーケット・エッジ小菅努代表取締役は、緊張緩和による相場下落は一時的とし、「中東情勢の緊張を背景とした供給不安から1バレル100ドルを超える高値も今後の可能性として十分にあり得る」と指摘した。
一方で小菅氏は高値の持続に関し、可能性は低いと続ける。「次期米大統領選出は今年11月。支持率に大きな影響をもたらすガソリン高を警戒し、原油価格への米国の積極的な取り組みは今後も続く」と今後の原油相場への一定の見方を示した。
日経平均株価は前日比614円高の3万9606円8銭で推移している。ドル円相場は1ドル=151.7円と、前日の17時時点(151.34円)と比べドル高・円安方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):180.88 (↑0.43)