5日 原油は小動き、中東情勢の緊迫も需要減とドル高が重し

11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(3月限)は先週末終値と比べ17セント高の72.45ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(4月限)は同26セント高の77.59ドル/バレルと、いずれも小動き。
5日アジア時間午前の原油相場は小動き。先週末に中東情勢の緊迫感が一段と高まったものの、原油需要減の観測やドル高といった弱材料が重しとなっている。2日に米軍がシリアとイラクの親イラン武装組織を、3日に米英軍が親イラン武装組織フーシ派を攻撃し、地政学的リスクが高まった。しかし、相場に対する影響はいまのところ限定的だ。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「買いが入ってもおかしくないが、米国、イランともに、相手を直接攻撃していないため、現状原油供給への明白な影響は見られない」との見方を示した。
一方、需要面では弱さが意識されている。米労働省が2日に発表した1月の雇用統計で、労働市場の堅調さが示された。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の利下げ観測が削がれ、経済減速により需要が抑えられると懸念された。5日アジア時間でドル高が進んでいる点も原油相場の圧迫している。 また、同日午前に発表された中国の1月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が前月を下回ったことも上値を抑える要因の一つとみられる。
日経平均株価は先週末比159円87銭高の3万6,317円89銭で推移している。ドル円相場は1ドル=148.42円と、同17時時点(146.63円)と比べドル高・円安方向に振れている。

◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):165.83(↓2.43)